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【後編】20年で集めたグルメ本、食べ物本ランキング11-20。

20年で集めた食べ物本・グルメエッセイから厳選した20冊をランキング形式で紹介する後編。11~20位の掲載ですが、実はわたくしの中で全部1位なので見劣りなし。


後編は前置き短めでどんどん参りましょう。

食べ物、料理のコツ、おいしいもの、店ならではの新発見が目白押し。読んでるだけで心が満腹になる本たち。

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11. エプロンメモ

1954(昭和29)年から『暮らしの手帖』で続いている連載の総集本で、初版は1984(昭和59)年。

雑誌への初掲載から30年経って本していることに驚きました。しかも売れ続けているのがすごい。

わたくしが持っているのは2009年の24刷です。

ひたすら小ネタ

200~300文字の「小ネタ」がぎっしり並びます。ひたすら、小ネタです。

台所、つまり食べ物の話が多いのはもちろんですが、お風呂や洋服など暮らしのヒントも。

これだけ時間がたっても中身は実用的で今も通用するところに頭が下がります。

『エプロンメモ2』『エプロンメモ よりぬき集』もあります。

土曜の夜にカフェオレ飲みながらツラツラ読んでると幸せ。小さな小さな幸せ。

12.陳家の秘伝

ご存じ「中華の鉄人」陳建一さんの著書。

いや、もしかして鉄人知らない世代がすでにたくさんいらっしゃる? 「料理の鉄人」で検索してください……。

日経プレミアシリーズという文庫で初版2011年。

中華風の洋食や和食の話も入っています。たまにカラーページがあって1分ほど見つめてしまう。

秘蔵レシピがうれしい

「お店では出さない陳さん家の焼き餃子」や「和風鍋を中華風タレで食べる」はわたくしのお気に入りレシピになりました。

陳さん、人においしいもん食べさせるのがほんとうに好きなんだな、と感じられます。こんな人がお父さんだったら自慢。何かを極めたプロを無条件に尊敬する体質です、わたくし。

13. がんばれ自炊くん!

コピーライターで株式会社ほぼ日の社長、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」編。

わたしがもってるのは角川文庫で2006(平成18)年の発行。

イラストがリリー・フランキーさん。贅沢!

読者から寄せられた秀作レシピに「謎の自炊老人」が突っ込みまくる形式なんですが、改行少なめ、情報ぎっしりです。

「ベーコンはかつおぶしである」や「不滅のトマト缶、サカナ缶」などがおすすめ。

自炊ビギナーに

自炊ビギナーは、ごたいそうな料理の本より『がんばれ自炊くん!』から始めてほしい。

冷凍うどんをアツアツにして、たまごと醤油とバターぶっかけて、海苔をグジャーッて散らすだけでものすごくおいしいじゃないか。

そんなことが書いてある本です。意訳しすぎかもしれませんが。

続編に『がんばれ自炊くん!グルメ編』も。こちらはそこそこ凝った読者レシピが載っています。

14. 聡明な女は料理がうまい

ノンフィクション作家、桐島洋子さんによるベストセラー。

1976年の初版本が2012年にアノニマ・スタジオから復活し、今は文春文庫にもなっています。

ウーマンリブという言葉が流行った時代に「仕事ができるオンナはふだんの料理もチャチャっと、凝った料理も作れるもんなのよ、どうだ? 作り方は、こうよ」っていう本です。

出てくる料理を読んでいると「こんな手料理で一度もてなされてみたい」と思うものばかり。家に人を招くときに出す料理のヒントになりました。

好みが分かれる

わたしは好きですが、主婦にたいしてやけに挑戦的な記述がチラチラ見られるので好みが分かれるかもしれません。

挑戦的な書き方を、あえてしているんでしょうけどね。

わたくしは主婦ではないので、桐島さんに寄ってしまいます。

15.サンドウィッチは銀座で

エッセイストの平松洋子さんが書いた本の中でイチオシ。文藝春秋から2011年発売、いまは文庫になってます。

食べ物の本ですが、平松さんの文章はやけに文学的です。初期の平松さんの文章は、まわりくどい表現が多めで鼻についたこともあったんですが。ワタシ文章うまいでしょ感とでもいいましょうか。

著作が増えるごとに文体が変わってきました。スッキリしているのに、ご本人のすてきな素顔が見えるような。

うわぁ、えらそうなコメント。すみませんすみません。今やファンです。

絵は谷口ジローさん

平松さんの文に添えられた、谷口ジローさんのとんでもなく繊細な絵とまんがも最高です。

このIT時代に最後まで「ほぼ手書き」を貫いたと聞いていますが、もう芸術の域。

※谷口ジローさんは久住昌之さん原作のまんが『孤独のグルメ』の絵を描いた人。

タイトルもいい

この『サンドウィッチは銀座で』もそうですが、平松洋子さんの本ってタイトルがいい。

あじフライを有楽町で』『ひさしぶりの海苔弁』『焼き餃子と名画座』。中身を見ずとも即買いしてしまう魔力があります。

16. 美味しんぼの食卓

111巻まで出ている、まんが『美味しんぼ』の原作者・雁屋哲さんの著書。角川文庫で初版は1990(平成2)年。

だしを自分でとれ、水にこだわれ、目玉焼きはターン・オーバー派……と、いろいろ説教くさい面もあるんですが、『美味しんぼ』が大好きだったので素直に聞きます。

食の安全を突き詰めて考えると何も食べられなくなってしまうので、ふだん考えないようにしていますが、この本でハッとさせられることも多かったです。

目玉焼き丼うまいよ

根菜がたくさん入った「にぼと」や韓国産唐辛子を使った豚肉ショウガ焼き丼の作り方は役に立ちました。

そういえばまんが『美味しんぼ』に載っていた「目玉焼き丼」にハマった時期がありました。あつあつごはんに、目玉焼きのっけて、しょうゆかけるだけでパラダイス。

(しょうゆじゃなくて、ウスターソースと青ノリかけると別のおいしさになります)

ところでまんがの『美味しんぼ』、2014年から止まってるんですが……。半分あきらめつつ待ってます。

17. ひと月9000円の快適食生活

食生活研究家の魚柄仁之助(うおつかじんのすけ)さんによるベストセラー。

初版1997年ですが、わたくしが持っているのはハードカバー、1999年で既に23刷。飛鳥新社で文庫になっています。

当時確か「清貧」ということばが流行っていた後だったような。そういう世相も手伝って売れたのでしょうか。

追記:1993年、自由国民社の「新語・流行語大賞」流行語部門で「清貧」が銀賞でした。

ラーメンスープの作り方

魚柄さんのモットーは「手抜きは正しい」「旨い料理しか認めない」「正しい料理法など存在しない」「素材は入手しやすいものに限る」等々。

「外国産のやすい肉の使い方」や「1人20円の鯛めしの作り方」「ラーメンスープの作り方」は役に立ったな~。

「塩わかめから塩をとって自家製塩0円」などの超節約項目もあるんですが、さすがにこのあたりは実践しませんでした。

余談ですが“うおつかじんのすけ”っていうペンネーム。ウォッカとジン、2つもお酒の名前が入ってますよね。この方、呑兵衛?

18. 実践 料理のへそ!

1人の著者につき1冊、と勝手にしばりを設けてましたがこれだけ例外。

料理研究家・小林カツ代さんの本で、文春新書です。初版は2003(平成15)年。意外に知らない「へそ」いっぱいです。

「卵を買うときは、4個か6個入り」「貝の味噌汁や澄まし汁には胡椒」「ニセモノ・ザウワークラウト」などは、すぐマネしました。

前編の3位で紹介した『小林カツ代はこんなにたくさん食べてきた』よりも実用的な内容が多い。

ある程度、料理が得意な人がこの本を読むと、得した!っておもうんじゃないでしょうか。

19. ごはんのことばかり100話とちょっと

作家、よしもとばななさんの食べ物エッセイ。2013年に朝日新聞出版から文庫で出ています。

1989年の年間ベストセラー1位が『TUGUMI』、2位が『キッチン』。いずれもよしもとさんの作品です、懐かしい。この2冊は食べ物エッセイではありませんが。

『ごはんのことばかり100話とちょっと』は文字ぎっしり系エッセイなのですが、おどろくほど読みやすく、おいしそうなものがバンバン出てきます。

バジルとチーズのおにぎり

印象に残ったのは、ごはんどきに家族で見たいテレビがあるときの晩ごはん。

CMの間にさっと食べられるように、残りごはんで2種類のおにぎりを作るんだそうです。

バジルとチーズのおにぎりに、梅おかかしょうゆと韓国海苔のおにぎり。あとはおみそ汁と、卵焼き。情景が浮かんできます。

巻末に載っている、フルカラーのレシピもおすすめ。「コロッケ24.5個分」と「バナナケーキ」(パウンドケーキの型2本分)は自分でもつくりました。

20. 魯山人味道

『美味しんぼ』の海原雄山のモデルといわれている、あの北大路魯山人(きたおうじろさんじん)さまの教えが書かれた本です。初版1974(昭和49)年、中公文庫になったのが1979(昭和55)年。もはや古典。

北大路魯山人の愛弟子、平野雅章さんが編んでいます。あの平野雅章さんが。

誰やそれ、の人へ

「あの北大路さん」「あの平野さん」と鼻息荒く書いてますが、誰やそれ?な人もいらっしゃいますよね。

北大路魯山人さんは北大路魯山の人ではなく、北大路魯山という山も地名もありません。

「きたおおじ・ろさんじん」っていうペンネームです。

本名はウィキによると北大路房次郎さん。

画家、陶芸家、書道家、美食家……マルチにすごいおじさまでした。

平野雅章さんは、その弟子で、食物史家。料理の鉄人に出ていました。

ちなみに料理記者の岸朝子さんは、平野雅章さんが主婦の友社に勤めていた頃の同僚です。

「へー、そうなん」って分かる人にだけ驚いてもらえればそれでいいと思って書いてます、はい。

お茶漬けにアツい

『魯山人味道』はちょっと小難しい文章なんですが、ゆっくり読むと頭に入ります。

お茶漬けに関してやけに掘り下げてあっておもしろいです。

納豆茶漬け、海苔茶漬け、塩昆布茶漬け、塩鮭・塩鱒、鮪(まぐろ)、てんぷら、鱧(はも)、穴子、鰻(うなぎ)、車蝦(くるまえび)、もうなんでも茶漬けにしてしまう。

後半に出てくる「料理の秘訣」という項は、ありがたく読ませていただきましたといいたくなる名文。

説教嫌いにはすすめません

年上のすごい人に説教されるのがだいきらいな人は、読まないほうがいいです。

「先輩の教えは、古いこともあるけど何かいいことをいうかもしれないから聞こう」と思える人には絶賛推奨します。


ひとまずベスト20冊、紹介終了!

食べ物や料理レシピの本って、やはり本ですから写真少なめ・文字ばっかり。そこがいいんですよねー!

書いてある文字から勝手に自分で「おいしそうな様子」を想像して楽しむ。寝る前に読んでいて空腹たまらんみたいなこと、よくあります(笑)。

そこがまた、いいのだ。じゃあの。

 

構成・文・撮影/綾小路麗香